Alfons Mucha
アルフォンス・ミュシャは1860年にチェコに生まれ、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけてパリで活躍し、その後はチェコに戻って祖国の文化に生涯を捧げた。彼の名を決定的なものにしたのはパリで製作された一連のポスター絵画である。ミュシャのグラフィックの多くは優美な女性を主題としている。日本の浮世絵のごとく、輪郭線と平面性を強調し、流れる髪、植物的なモチーフ、S字型の曲線をふんだんに用いたそのデザインは、幾何学的な背景のフレームにいたるまで、まさに完璧な美を構成している。アール・ヌーヴォーの真骨頂ともいえよう。これほどまでに完成された装飾性は他に例を見ない。

